クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

やっぱり日本は遅れているのか 技術面だけでは語れない、FCVやEVの世界高根英幸 「クルマのミライ」(5/6 ページ)

» 2022年12月08日 08時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

チャレンジャーの素質を備えた米国と韓国

 そもそもベンチャーが育ちやすい社会環境の米国と、後から追いかける立場の社会環境の中国や韓国。それらと比べると、日本はどうしても守りの体制に入りやすい傾向がある。同じく守りに入る欧州でも、そもそも自分たちで抱えているマーケットの大きさから、圧倒的に有利だ。

 日本は先行者利益(単純に言えば欧米のほうが元は先行していたが)と実直な開発作業でリードしてきたが、いよいよ追いつかれてきたという感がある。というより、クルマの開発の方向性が従来と変わってきたことが大きい。

FCVは普及するのか(画像:ゲッティイメージズより)

 内閣府が推進するSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)も官民が一体となって開発していて、例えば自動運転に関してはお台場周辺で活発に試走を繰り返しているが、このプロジェクトには国内のメーカーやサプライヤーだけでなく、海外メーカー、サプライヤーも参加している。

日産のリーフ(EV車)

 開発のスピードを高めるには、より多くの参加企業が必要なのは分かるし、インフラとセットで輸出できるモノを目指しているだろうが、中途半端感は否めない。海外のライバルたちと凌(しの)ぎを削るのであれば、日本独自の技術やサービスをつくり上げることが大事ではないだろうか。

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