ヤマップではアプリの有料会員プランのほかに、登山関連グッズを販売するEC「YAMAP STORE(ヤマップストア)」、登山関連の保険を扱う「YAMAP登山保険」(22年10月末で新規販売は休止)、自治体・企業向けの「アウトドア事業開発」の4つの軸がある。第9期(21年7月〜22年6月)においては、「プレミアム会員数の増加」と「ヤマップストアの伸び」が売上増につながっている。
この結果について春山氏は、「想定通りの展開だ」と話す。
「ニッチな領域のビジネスモデルは、ミルフィーユのように事業の軸を重ねて、層を厚くしなければ成長が期待できません。当社の場合は、ユーザーの登山前、登山中、登山後とその前後にある日常に寄り添い、人類のウェルビーイング、地域や山のウェルビーイングにつなげられるよう取り組んでいます」(春山氏)
ヤマップストアは、大手企業と張り合うのではなく、「ほぼ日手帳」や「北欧、暮らしの道具店」のような運営方針だ。スタッフが本当にいいと思える登山・アウトドア道具だけを目利きしてコンテンツとして届け、商品販売につなげる。今後、ヤマップのオリジナルブランドを立ち上げる構想もあるという。
「先ほどもお話したとおり、ヤマップはユーザーさんとの共創で築いてきたサービスであり、ユーザーさんの声やデータを蓄積しているのが何よりの強みです。このデータはストア事業における商品開発にも生かせると考え、オリジナルブランドの展開を目指しています」(春山氏)
さらには、道具のレンタルなどC2Cまでサービス領域を広げる可能性も。3年前から始めたストア事業は、まだまだ伸びしろがある事業として位置付けている。
登山保険は、まごころ少額短期保険と契約して代理店として販売をしていたが、22年10月31日をもって代理店と既存保険商品をとりやめた。23年夏を目標に、保険を含む新サービスの立ち上げを考えているそうだ。
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