あえて値下げで売り上げ4割増──沖縄発「やっぱりステーキ」の戦略的値付けと幸運(2/2 ページ)

» 2023年01月21日 07時05分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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円安前の大量確保で値下げ実現 売り上げ4割増の店舗も

 値下げの背景には、独自の経営努力がある。同社は米国の契約業者からステーキ肉を仕入れているが、ミスジステーキに関しては、結果的に円安が進む前に、部位の大量確保に成功。値下げにつながった。

photo 肉用牛のイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 従来から行っているライス・サラダ・スープが食べ放題のセルフコーナーの設置や、券売機導入などによる人員コスト削減に加え、22年12月以降、店舗の多くが集まる沖縄の観光客数が増えたことも追い風になった。同社によると、メニュー改定前と比較して、売り上げが3〜4割増加した店舗もあるという。

 ただ、現在の価格をどこまで維持できるかは不透明。値下げ前に確保した在庫や仕入れ価格の変更で値上げの可能性も今後あるため、値下げ時に来店した利用者に、いかに継続して来店してもらえるかが今後の課題となる。

 現在、同社では1月末まで、ロースステーキ150グラムを1000円で販売する値下げキャンペーンも実施中。当初は22年12月末までの期間限定だったが、好評に加え、原材料を確保できたとして、期間を延長した。

 同社は「値下げした価格を維持できるよう、取引先と現在交渉中。地域に根差した店舗経営をすすめるとともに、お客さまの期待に沿えるような商品とサービスを今後も提供していきたい」としている。

photo ロースも期間限定で値下げしている。
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