一番にすごい! と言えるのは、「100年に一度と言われるクルマの変革」を形として見せたことにあります。
これまで、「100年に一度のクルマの改革」がさんざん叫ばれてきました。クルマの自動化が進み、クルマの意味合いが変わってくるというのが、クルマの改革です。クルマの価値は「走る・曲がる・止まる」ではなく、「移動中にどんな体験やサービスがあるか」が重要になってくるのです。
ところが、自動車メーカーは、これまで過去何十年にわたって「走る・曲がる・止まる」を追求してきた会社ですから、それ以外の「体験やサービス」は、はっきり言って門外漢。そのため、あちこちの自動車メーカーから、「この先、移動よりも体験&サービスだ」という声は聞こえましたが、実際のところ、それ以上の提案はほとんど登場しませんでした。
しかし、今回のソニー・ホンダモビリティは違います。なんといっても、ソニーという体験&サービスのプロいます。だからこそ、クルマの変革を、発売時期を明示して、プロトタイプとはいえクルマの形として見せることができたのです。そこが今回の発表のすごさと言えます。
ただし、今回の発表は、車体こそ現物として見せてくれましたが、その中身となる肝心な体験やサービスは、コンセプトを明示したのみ。器は見せてくれましたが、それにのる料理は不明です。本当の勝負は、料理のおいしさにあります。世の中をあっと驚かせる、おいしい料理が登場することを期待したいと思います。
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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