マーケティング・シンカ論

本社前にUFOが墜落!? 埼玉のスーパー「ベルク」がユニークすぎるキャンペーンを連発する理由SNSで話題(4/4 ページ)

» 2023年01月27日 07時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]
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違うツボを届けるスーパーを目指す

 こうしたユニークなイベントが着目されがちだが、原島社長は「面白いことをやり続けるのは“飛び道具”だ」と断言する。「接客やお総菜、商品の鮮度や品ぞろえなど、スーパーの基本を徹底してこそ生きてくることですし、この基本こそが新規顧客を定着させ、さらにこれまでの層を維持するために必要なことです」

belc 店内の様子(同社提供)

 原島社長によれば、スーパーの店舗づくりはオーケストラに例えられるという。「本社が指揮者で、お店は演奏者。店舗の独自性を高めることよりも、赤点の店を出さず全店舗の平均点を上げることが顧客満足度を高めると考えています」

 特にレジは最後の砦であり、店舗づくりでも力を入れているという。「レジでの印象が良ければまた来店していただけます。スマベルクというスマートフォン決済の導入と、従業員のレジスキルのスピードアップというアナログとデジタルを融合させて、“レジで待たせない”を徹底しています」(原島社長)。

belc 原島氏「スーパーの店舗づくりはオーケストラのようなもの」(同社提供)

 店舗づくり以外では、PBブランド「くらしにベルク kurabelc『クラベルク』」の開発を急ピッチで進めている。「スーパーは基本同じ商品で構成されています。そこで、ベルクだからこそ、ベルクにしかないという独自性を打ち出すことが急務です」(原島社長)。23年度中には、全商品群に占めるPBブランドの割合を10%に引き上げることを目指している。

belc PBブランドで人気のビーフジャーキー(同社提供)

 今後も他のスーパーでは体験できないようなイベントを企画していきたいと意気込む原島社長。トップダウンのみならず、社内からのアイデアも柔軟に取り入れているという。「『ベルクに行けば、何か面白いことがあるんじゃないか?』というワクワク感をお客さまに持っていただける、お客さまに違うツボを届けるスーパーとして、これからも挑戦を続けていきます」(原島社長)

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