結局のところ脱炭素を実現させるのは法規制ではなく、テクノロジーの進歩でしかないのだ。だが電動化を闇雲に進めることは、さまざまな弊害を生むことになる。その一つがリチウムの高騰だ。
このところテスラ以外でBEVの価格が上昇しているのは、リチウムの価格が高騰していることが大きな理由だ。リチウム価格の決定権を中国に握られている以上、こうしたリスクは織り込み済みだったはずだが、実際には対抗策がないまま、値上げせざるを得ない状況に陥っている。
こうした問題を解決するのはテクノロジーの進化しかない。相手は現状の環境では最強のカードを持っており、自分から譲歩する理由など見当たらないからだ。もちろん完全に自国だけの消費や輸出だけで使い切ることはできないし、そんなことをしたら貿易摩擦で他の産業にも支障が出る。
そのため適度に材料を輸出し、価格をコントロールしながら自国に有利な状況をつくり出している。これが今のEVにおける国際リチウム市場の状況と言っていいだろう。
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