使われないまま放置されている既存の土地の高度な有効利用を促すことに加え、そうした「放置されている土地を放出させ、有効利用に意欲のある別の個人・法人に再利用させる」方向に政策を切り替えるべきなのだ。
同時に、自治体が自らの費用で略式代執行した土地を割安に市民または法人・団体に売却し土地の再利用を促すよう、国から自治体に交付金を出すのも有効だろう。その際には、隣地の所有者には優先的にかつ少々割安な価格での買い取りを打診する配慮があっていい。区画拡大に仕向けることで地域の宅地環境の改善にもなるし、何と言ってもそれまで放置空き家によって散々迷惑を被ってきた隣人に対して少しは被害補償の機会が与えられてしかるべきだろう。
利用されないどころか地域の足を引っ張る存在である、管理されない空き家をこれ以上放置させては、ただでさえ体力の衰えた日本経済にとっては大きな足かせになりかねない。先送りではなく、今こそ総合的かつ有効な手を打つべきなのだ。 (日沖 博道)
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