攻める総務

リーガルテックのサービスが増えた 背景に3つのトレンド国内の市場は(4/4 ページ)

» 2023年02月09日 08時00分 公開
[FRONTEOITmedia]
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リーガルテックのトレンド

 このようにさまざまなリーガルテックを用いたサービスが生み出されてきましたが、それらのトレンドには3つの傾向があげられます。

(1)ベンチャー企業による新規サービス

 15年当初は法律実務家によるスタートアップの参入が多く、逆に大手や他業界からの新規参入は少ない傾向にありました。これは、業務の専門性が参入障壁となっていたことや、市場が黎明期にあり、参入を視野に入れる企業が少なかったためと想定されます。

 一方で、AI技術の発展に伴い、市場への関心は高まり、18年ごろには出資・提携といった形での大手法律事務所やリーガルサービス大手企業ベンチャーキャピタルの参画が相次いで進みました。

(2)技術の発展とサービスの拡大

 15年以前は、主にインシデント(不正調査、訴訟、当局調査対応など)に対応するソリューションが多く利用されていましたが、15年以降は、それらに限らず、契約書作成や電子契約、監査といった平時からの備えとなる予防法務を支援するソリューションも多く利用されるようになりました。この流れは、リーガルテックに対する期待感や企業のDX推進におけるAIの導入意欲の高まりにもつながっていると考えられます。

(3)AI の活用

 法務・知財関連業務で取り扱っている情報は、契約書や判例、証拠資料となる電子メールなどのテキストデータが中心です。AIを活用したリーガルテックの導入が進んだ背景には、これらのテキスト(文書)情報や自然言語を解析するAI技術が開発され急速に発展したことがあります。

 それに加え、契約書の作成・分析や判例・特許の検索、またレギュレーションによる実施が必要な証拠の精査は、ビッグデータ化による文書量の増加により対応への緊急性が高くなったことが、業務効率化を実現するAI活用導入の後押しとなりました。実際、AI 活用をうたったサービスも多数存在しており、今後はより一層AIを活用したリーガルテックの開発や導入が進むでしょう。

著者:FRONTEO

 FRONTEOは、自然言語処理に特化した自社開発AIエンジン「KIBIT(読み:キビット)」を用いて企業のビジネスを支援するデータ解析企業です。

 2003年8月の創業以来、企業の国際訴訟を支援する「eディスカバリ(電子証拠開示)」や「デジタルフォレンジック調査」などのリーガルテック事業で

 多くの実績を持つ日本におけるパイオニアです。現在は創薬支援、認知症診断支援、金融・人事・営業支援など、様々な企業の課題解決に貢献しています。


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