どうすれば人的資本を事業成長に生かせるのか、そのヒントSmartHRの「人事データ活用」(4/4 ページ)

» 2023年02月10日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]
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システム活用で満足度がアップ

 スマートHRが実施した「タレントマネジメント」に関する調査(※)では、約46%の企業が「タレントマネジメントに満足していない」と回答した。

(※)22年8月、従業員数51人以上の企業に勤務するタレントマネジメントの推進に携わる全国の人事労務担当者および、経営者773人を対象に調査
約半数の企業が「タレントマネジメント」に課題を抱えている

 同調査では、その要因が人事部のリソースやデータ収集の不足にあるという結果も出ている。

「日々の業務に追われて手が足りない……」という人事の切実な課題が見えてくる

 HRテッククラウド市場が拡大している背景には、人的資本の価値の高まりに加え、人事のリソース不足や人事データ収集の重要性が増していることにあるようだ。さらに、同調査ではタレントマネジメントシステムと労務システムを併用した場合に、満足度が約1.4倍になることも分かった。

労務システムも活用して効率化・自動化を追求することで、企業の満足度が上がっていた

 このことから、人事業務の満足度を上げるには「人事・労務業務の効率化」と「人事データを収集・蓄積する仕組みの整備」が求められると重松氏は結論付けた。

 システム活用で一定の満足度が得られると分かっていても、そこに行き着くまでに、いくつものハードルが存在する。「人事情報を紙で管理している」「人事部以外(各地の工場など)にデータが散らばっている」「データ化されていても品質が低い」「データ活用の専門人材がいない」など。

 スマートHRと三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した共同調査「デジタルHRサーベイ2022」(※)によれば、こういった理由で約55%の企業が「タレントマネジメントに興味はあるが、システムを導入できていない」と回答した。このような企業にとっては、システムを導入するための時間を捻出する、あるいは専門人材を見つけるのが先決といえそうだ。

(※)22年6月13日〜8月12日、原則として連結従業員数1000人以上の企業63社を対象に調査

写真提供:スマートHR

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