超豪華客船「クイーン・エリザベス」乗ってみた コロナを乗り越え、世界の船旅はどんな進化を遂げていたのか乗船レポート(2/6 ページ)

» 2023年02月23日 07時00分 公開
[長浜和也ITmedia]

場所と時期を柔軟に選べる

 フライ&クルーズでは海外に飛行機で赴き、到着した海外の港を発着するクルーズを楽しむ。日本の港から発着するクルーズでは世界各地を船旅するにはどうしても長い時間を要することになり、それに伴って費用もかかってしまう。しかし、海外の港まで飛行機で移動すれば旅行に必要な時間と費用を圧縮でき、それでいて、地中海やカリブ海、北米に欧州、南太平洋にインド洋から東南アジアなどなど、世界各地の船旅を経験することが可能になる。

 クルーズで旅する海域が広がるとともに、乗ることができる客船の種類も増える。多くの客船は就航している海域が一定のエリアに定まっている傾向があるため、定期的に実施する大洋横断クルーズや世界周航クルーズなどを除くと、例えば地中海やオセアニアなど、「ここに行きたい」という目的地で乗船するコースを選ぶことになる。

 加えて、外国客船が日本周辺の海域でクルーズを実施する場合、海況の穏やかな春先などの季節に実施することが多い。そのため、季節を問わず自分の休暇事情に合わせてクルーズを利用したいと思っても外国客船に関しては選択の幅が狭まってしまう傾向にある。

今回のフライ&クルーズはシドニーを出港してメルボルンに至るオーストラリア南東沿岸を巡航する。日本からシドニーに渡る空路はわずか9時間。海路なら10日間はかかる

 今回乗船したクイーン・エリザベスのクルーズは12月にオーストラリア沿岸を航海する。南半球ということで12月中旬のクルーズながら現地の季節は夏。そして時期はクリスマス直前ということで南太平洋タスマン海の青い海の上で「夏のクリスマス」を体験するクルーズとなる。

乗船したのがクリスマス直前ということで船内はデコレーションで飾られていた。同船が日本に来るのは春先なので、このような船内を楽しめるのもフライ&クルーズならではといえる

 仮に日本からオーストラリアに向かって太平洋を海路で縦断しようとしたら、かなりの時間を要することになる。移動そのものがクルーズの楽しみであるのは間違いないが、フライ&クルーズならその時間を圧縮してオーストラリア沿岸クルーズを体験できることになる。

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