記事冒頭で述べたように、20年からしばらくは厳しい状況が続いていた日本における出入国制限も、22年後半から段階的に緩和されつつある。特に今回渡航したオーストラリアへの入国においてCOVID-19ワクチン接種証明書の提示は必要ない。
ただし、この記事の執筆している23年2月7日時点においても日本への帰国者に対しては依然として3回目のワクチン接種証明書もしくは出国前72時間以内検査の陰性証明書の提出が必要になる。
加えて、オーストラリアでクルーズを運航する船会社には感染抑制対策のガイドラインとして「CDNA National Guidelines for Cruising in Australia」(感染拡大予防のための国際クルーズ運航再開ガイドライン)への対応が求められている。今回の乗船にあたってもクイーン・エリザベスを運航する船会社のキュナードの要請で海外用新型コロナウイルス感染症予防接種証明書を準備する必要があった。
なお、このワクチン接種条件についてもキュナードが保有する3隻のうち、クイーン・メリー2とクイーン・ヴィクトリアは4月23日出航のコースから、クイーン・エリザベスは6月8日出航のコースから撤廃するとしている。
また、キュナードからは同様な事情から乗船前には乗船24時間以内に抗原性検査または乗船48時間以内にPCR検査を実施して陰性であった証明書類を用意することも求められていた。今回は現地でも入手が容易で自分でできる迅速抗原性検査を実施している(PCR検査の場合は指定されている研究機関で検査を実施する必要がある)。
以上の手続きを書類、検査を実施して無事クイーン・エリザベスに乗船すると、客室に歓迎のメッセージや船内新聞、船内LAN利用手引きなどなどのドキュメントの中に感染防止に関する説明も用意されている。
この中で、船客にはハンドソープを使った1回につき20秒以上の定期的な手洗いとマスクを着用した上でソーシャルディスタンスの確保を求め、咳をする場合には鼻と口をティッシュまたは上腕で押さえて手を洗うといった具体的な行動様式を説明している。
特にマスクについては別紙のパンフレットを用意して着用を喚起している。この中では5歳以上の全ての船客に自分の客室滞在時と飲食時、そして、ジムにおけるエクスサイズ中を除いてマスクを着用することを求めるとともに、着用にあたっては鼻と口を覆い、可能ならば医療用グレードのマスクを使用し、3〜4日間で交換するようにと、その内容は具体的できめ細かい。
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