日本サッカー協会(JFA)が、3月末のウルグアイ代表とコロンビア代表との親善試合を対象に、需要と供給に応じてチケット価格を調整する「ダイナミックプライシング」(価格変動制、DP)を導入する。日本国内でのサッカーの試合では、Jリーグの観戦チケットで採用歴はあるが、代表戦への導入は初めて。初導入となるウルグアイ戦のチケット販売を2月19日から始める。
身体障害者向けの座席やファミリーシートを除く、全体の約7割の座席がDPの対象。チケット価格は日時、対戦相手、席種、過去の同会場のチケット需要、天気、立地などの条件からAIが自動的に決めるという。JFA広報は導入の狙いを「購入者のニーズに応じた販売価格の適正化や、不正な高額転売を防ぐため」と説明する。
JFAは2022年までファミリーマートでも代表戦の観戦チケットを先行販売していたが、転売防止のため、店頭や電話経由での販売を廃止。販売チャネルをJFA公式サイトに集約した。チケットの電子化も進める。
DP導入とともに、JFAはリセール用の専用サイトも用意。テラス席やプレミアムシートなど一部の企画席を除き、第三者への定価販売の場を提供する。
DPは、Jリーグやプロ野球、Bリーグ(バスケットボール)、WEリーグ(女子サッカー)などのプロスポーツで導入が進んでいる。18年6月にヤフーと三井物産が共同で設立したDP専門企業ダイナミックプラス(東京都千代田区)の公式Webサイトによると、横浜・FマリノスなどJリーグ14クラブ、プロ野球ではソフトバンクホークスなどセ・パ5球団が観戦チケットにDPを導入しているという。ダイナミックプラスにはチケット販売大手ぴあも資本参加している。
「さまざまな団体、競技での取り組み事例を参考にした」とJFA。「今後の日本代表戦でも導入予定だが、その割合については検討中」としている。
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