新時代セールスの教科書

「データドリブンセールスを始めたい」 どこから手をつければいいのか「データドリブンセールス」を考える(2/5 ページ)

» 2023年03月02日 08時17分 公開

現状分析と課題の可視化

 現状分析と課題の可視化には、大きく3つの工程があります。

(1)顧客理解と現状の業務フローを可視化し、部門間の課題を洗い出す

 顧客理解では、顧客となる企業担当者のペルソナと顧客のジャーニーマップを作成し、提供するサービスとの接点を明らかにします。次に、各部門担当者ごとに現状の業務フローをヒアリングし、誰がどのような業務を行っているのかを可視化することで、部門間の連携に必要な課題を洗い出します。

(2)売上目標と業務フローがどのようにつながるかをKGI/KPIの観点で統合し、KGI/KPIツリーを再設計する

 部門ごとに設定されたKPIを統合し、顧客への提供価値と売上目標がどのようにつながるかを考慮して、KGI/KPIツリーを再設計します。これにより、部門間で目標の共有ができ、全体最適の視点で業務に取り組むことが可能になります。

(3)再設計したKGI/KPIツリーに基づき、データ分析ユースケースを作成する

 データ分析のユースケースとは、利用者がデータ活用によって目的を達成するためのものです。例えば、マーケティング担当が(Who)、問い合わせフォームからの月次リード獲得数達成率を(What)、毎週火曜日の(When)週次定例で(Where)、責任者に現状と改善策を報告するために(Why)、分析する(How)――。

 このように5W1H形式で書き出します。各部門担当者が目標達成のためにどのようなデータを見てどのようにアクションするのかが明確になります。

 この3つの工程を経て、データ分析ユースケースで定義するダッシュボードを作成し、データを分析できる状態にします。

 次章では、顧客理解と現状の業務フローの可視化について重要なポイントを説明します。

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