先日、「最低賃金を全国一律1500円に」がTwitterのトレンドに入った。
春闘が盛り上がる中で労働組合が物価高に負けない大幅賃上げを訴えており、その流れでSNSでもこのような主張が拡散されたようだ。確かに「#最低賃金を全国一律1500円に」でTwitterデモも呼びかけられている。
ご存じのように、日本の賃金は世界的に見ても異常なほど低い。ついには平均給与でお隣の韓国にも抜かれてしまう有様で、英語が多少しゃべれる若者は、沈みかけている船から逃げるネズミのように、海外の高収入な仕事を求めて日本を脱出している。
こんな危機的状況ならば、「最低賃金を全国一律1500円に」という呼びかけにはさぞ多くの人が同調しているのかと思いきや、ネットやSNSを眺めるとそれほどではない。
むしろ、盛り上がっているのは一部の野党色の強い人たちばかりで、ほとんどの人は「静観」という感じで、「最低賃金引き上げも大事だが、それよりも税金が高すぎる」「最低賃金を引き上げる前に消費税をゼロに」と別案を主張している人も少なくない。
要するに「最低賃金を全国一律1500円に」というのは、特定のイデオロギーを持つ労組や野党が触れ回っている「現実離れした理想論」に過ぎないと考えている人がかなりいるようなのだ。
確かに、この手の主張をしているデモを見ると、「反原発」とか「軍拡反対」などと書かれたのぼりが立っているのも事実だ。だが、常軌を逸した低賃金と物価高騰というダブルパンチで貧困へ転落する人が増えているなかで、「最低賃金の引き上げ」は効果が期待できる施策のはずだ。
にもかかわらず、シラけている。なぜこうなってしまっているのか。
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