ワークマンの「おしゃれシフト」は成功するのか アパレル専門家が指摘する新業態への懸念磯部孝のアパレル最前線(2/5 ページ)

» 2023年03月15日 05時00分 公開
[磯部孝ITmedia]

 ワークマンとワークマンプラスは、両店舗ともほぼ同じような品ぞろえである。しかし、看板をワークマンプラスにするだけで、一般客、つまり作業ウェア目的ではない客が数多く来店している。見せ方を変えることで、これまでと異なる客層を呼び込むという手法になっているのだ。これを、#ワークマン女子とワークマン カラーズでも狙っているとみられる。

 #ワークマン女子との住み分けは、郊外立地および路面店を#ワークマン女子で、都心店をワークマン カラーズで、という形になるだろう。郊外型の店舗は、流通インフラなども影響してか1200品目くらいの品ぞろえがないと売り上げの達成が難しいとのことだが、都心店では600〜700品目に絞っても売り上げが目標に到達するそうだ。このことから、都心タイプのワークマン カラーズは、#ワークマン女子の品ぞろえから絞り込み、商品をアピールするスペースをしっかり作って訴求させていく形になる。

ファッション性を強調し、初のJR駅ビル出店となった#ワークマン女子 天王寺MIO店(撮影:ほしのあずさ)

 こうして、ワークマン カラーズでは、#ワークマン女子に足を運んだことがなく、デザイン性の高い一般衣料に反応してくれる女性客の獲得、つまりより広い客層へのアプローチを試みる。

 ただし、以上はあくまでワークマン側の思いであって、その狙い通りに事が運ぶかは分からない。そのために9月の「本番」前に実験店舗として3月にオープンしたのが、#ワークマン女子の大阪天王寺MIO店と、4月オープン予定の横浜ビブレ店で、しっかり実績を積んで本番の9月デビューにつなげていく考えのようだ。

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