ミツカン企業ロゴの意味とは? 英アドミラルと「似ている」と話題「仕事に役立つ企業トリビア」(1/2 ページ)

» 2023年03月31日 06時45分 公開
[ITmedia]

連載:仕事に役立つ企業トリビア

「知られざる本社所在地」「手掛けている意外なビジネス」「ロゴマークに込めた真意」「名物社長の経歴」――ビジネスを楽しくする企業トリビアを紹介していく。

 ミツカンがJリーグ2部(J2)所属の「ジュビロ磐田」とスポンサー契約を締結した。同クラブのユニホームを手掛ける英国のスポーツブランド「アドミラル」のロゴと似ているというネットユーザーの指摘がきっかけだった。英国ブランドと似ていると指摘された、ミツカンの企業ロゴにはどのような意味があるのか。それには創業一族の家紋が関係していた。

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photo ミツカンの代表商品「味ぽん」を持つジュビロ磐田のマスコットキャラクター(出典:ミツカン公式Webサイト、以下同)

1804年に愛知で創業の酒造会社

 ミツカンは1804年、中野(中埜)又左衛門(なかの・またざえもん)が尾張国半田村(現在の本社がある愛知県半田市)で創業。現在でこそ、酢のイメージが強い同社だが、当初は酒造業としてのスタートだった。

 しかし、友人とともに訪れた、江戸視察での寿司との出会いが転機となる。又左衛門は当時、江戸で人気だった寿司に、主に米を原料とする高価な「米酢」が使われていた点に着目。酒粕を原料にした酢を製造すれば、寿司の低価格化を実現できると考えた。

photo 江戸でブームになっていた寿司

 当時、酒造会社が酢を生産することは非常識とされていた。酒桶に酢酸菌が入ることで、酒が全て酢になる恐れがあるためだ。だが、大胆ともいえる又左衛門のチャレンジは見事に成功。江戸での寿司ブームに乗る形で、売り上げを順調に伸ばしていった。その後、明治政府下での文明開化で、庶民の食生活も変化。寿司以外にも酢を使った料理が広がり、需要が高まった。

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