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NGのケースは? いまさら聞けない「副業」の基本をプロが徹底解説春から副業したい人へ(2/4 ページ)

» 2023年03月31日 05時00分 公開
[鈴木麻耶ITmedia]
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副業が認められないケースは?

 基本的に、労働時間以外の時間をどう利用するかは労働者の自由であり、企業としては関知しません。裁判例によれば、「労働時間以外の部分」を企業として制限できるのは、

(1)労務提供上支障がある場合

(2)業務上の機密が漏洩(ろうえい) する場合

(3)競業により自社の利益が害される場合

(4)自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

とされています。

 つまり、あくまでも本業にしっかり労働力を提供し、そのテリトリーを侵すことがないのであれば副業を可とするという考え方です。

 例えば、食品会社Aで商品開発を行う従業員が、食品会社Bで同じく商品開発の副業を行った場合どうでしょう。主戦場が同じため、ノウハウやレシピといった機密情報が漏れる危険性があります。また、副業で成果を出すことが、本業に対して不利益を生じさせる利益相反状態になることも考えられます。こういった場合は、企業は副業を認めないとして問題ありません。

huku 本業にしっかり労働力を提供し、そのテリトリーを侵さなければ副業はOK(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 本業が配送業で深夜勤務の副業をした結果、明らかに睡眠不足で運転を任せられる状態ではない場合はどうでしょう。業務上支障があるうえに事故の危険性もあり、企業の信頼を失墜させる恐れがあります。このような場合も副業を認めないとして問題ありません。

huku 副業が認められないケース(編集部作成)

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