「函館新幹線」ついに公約へ! 想定ダイヤをつくってみた杉山淳一の「週刊鉄道経済」(7/8 ページ)

» 2023年05月13日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 函館〜新函館北斗は単線だ。東京発札幌行きの「はやぶさ」に乗り、新函館北斗から函館行きの乗客が乗り継ぐためにシャトル便を設定する。このシャトル便が函館に到着したところで、函館発札幌行き「北斗」を設定したら、函館北斗発函館行きの「ひばり」と交差した。単線だからこの運行は不可能だ。そこでシャトル便の函館発を少し繰り上げ、五稜郭駅で行き違いを設定した。函館行き「北斗」の新函館北斗駅到着時間から逆にたどって、札幌発時刻を設定する。

 単線区間に「函館行きひばり」「函館行き北斗」「新函館北斗行きシャトル」を入力する。「東京行ひばり」と「札幌行き北斗」も入れたい。そこで、「新函館北斗行きシャトル」を「札幌行き北斗」にした。「函館行きひばり」と「東京行ひばり」も五稜郭駅で行き違う。その結果、「札幌行き北斗」は新函館北斗駅で東京〜函館間の「ひばり」からの乗り換え客を受け入れ可能になった。

 つまり、前掲の吉川氏の案に、五稜郭駅の行き違い設備を追加する必要がある。吉川氏に聞くと、全体の費用に少し追加するだけで済み、可能ならば七飯駅にも行き違い設備をつくることで、新幹線や在来線のダイヤも自由度が高まるとのことだった。

 この2時間サイクルの列車時刻をコピーして、新幹線時間帯の6時〜24時の列車を埋めていく。結果として、「ひばり」以外の新函館北斗〜函館間のシャトル便は「北斗」が担当する。札幌発で「函館行き北斗」と「東京行きはやぶさ」は30分ごとに交代で発車する。かなりきれいな乗継ぎダイヤになった。「東京行きひばり」は五稜郭で行き違いがあり、さらに新函館北斗駅で「札幌発北斗」の乗継ぎ連絡行う。だから函館発東京行きは東京発函館行きより少し停車時間が長い。しかし、乗り換えなしで東京直行のメリットがあれば乗客にも納得していただけるだろう。

五稜郭駅行き違いを設定。函館発の列車が函館行の列車を待ち合わせる

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