しかし、20年11月の記事から現在では少し状況が変わっている。当時の記事では「総工費約80億円」としていた。これは「ざっくり見積もって75億円くらい」を多めに表現したからだ。現在は約75億円がキーワードになる。
また、工事費の捻出方法も変わった。大泉市長は財源として「ふるさと納税」による寄付金を現在の年間10億円から100億円に増やすという。函館市の規模と観光要素、特産品などからそれは十分可能だと思う。しかし並行在来線化と同時に整備すれば、函館乗り入れ費用は30年間で回収できそうだ。
現在は北海道新幹線函館延伸が確実となり、並行在来線の協議が始まっている。並行在来線化に伴う路盤整備と、保守コストのかかる電車列車の廃止、地方交通活性化のための国の補助制度を盛り込めば、工事費は圧縮でき、約30年でコストを回収できるという。
また、3年前は「ミニ新幹線として整備」としていた。しかし正確には「ミニ新幹線のような三線軌条線路」に、「フル規格新幹線の車両を直通させる」である。これは3年前も吉川氏が「本命はフル新幹線車両の乗り入れ」と話していた。しかし、フル新幹線というワードを使えば、かつて検討された「フル規格新幹線の函館支線」のイメージが強い。線路をフル規格新幹線で整備すれば1000億円かかるといわれ、函館市が断念している。
そんな「フル規格アレルギー」に触れないように、「ミニ新幹線」という言葉を使った。説明資料にもフル規格車両とミニ規格車両を連結し、新函館北斗駅で切り離すイメージとした。
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