キャンピングカーを購入する人は、どんな人なのでしょうか。日本RV協会が全国のユーザーに実施したアンケートによると、最も多かった世代は、60歳代で42.2%。以下、50歳代35%、40歳代11.6%、70歳代以上9.6%、30歳代1.4%、20歳以下0.1%と続きます。50〜60歳代が約8割を占めています。完全なリタイヤ世代となる70歳代以上は9.6%と、それほど多くないのが意外なところ。また30歳代以下は、ほとんどいないというのも特徴といえます。
そうした人たちのキャンピングカーの購入金額はどれほどかといえば、最も多かったのが「400万〜500万円台」(24.1%)で、「600万〜700万円台」(21.6%)、「800万〜900万円台」(19.1%)、「1000万〜1500万円台」(15.2%)、「200万〜300万円台」(15.1%)と続きます。ボリュームゾーンは、400万〜900万円といったところでしょう。乗用車として見れば、国産高級車、もしくは輸入車といった価格帯です。べらぼうに高いというわけではないのも人気の理由ではないでしょうか。
購入後の使用用途では、「キャンプ」(56.7%)がトップ。以下、「趣味」(44.2%)、「ペット」(36.9%)、「旅行以外のその他」(16.6%)、「防災・災害対策」(15.4%)と続きます。また、用途として「ビジネス」(7%)と答える人もいるように、旅行だけでなく幅広い使われ方をしているようです。
人と触れ合わずに旅行ができ、しかも防災にも使えるキャンピングカー。その特性上、近年のコロナ禍は、キャンピングカー業界にとっての追い風になったことは間違いないことでしょう。では、コロナ禍の収束も見えてきたこの先は、どうなるのでしょうか。
確実にいえるのは、日本のキャンピングカー市場は、欧米と比べるとまだまだ小さいということです。世界最大のキャンピングカー市場である米国には、15年の時点で約950万台が保有されていました。欧州全体では約550万台。当時の日本の保有台数は約8万5000台であり、米国の100分の1という規模です。
15年から日本の保有台数は約14万5000台にまで増えましたが、それでも約1.5%という規模です。また、ドイツは1国だけで約150万台(21年)を保有しています。それに比べても、日本は10分の1。伸びしろという点では、まだまだたっぷり残っているといえます。コロナ禍が収束した後も、キャンピングカー業界からは目を離せません。
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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