「電動キックボード」の問題は何か メリットとリスクを考える池田直渡「週刊モータージャーナル」(1/5 ページ)

» 2023年07月10日 09時24分 公開
[池田直渡ITmedia]

 道路交通法の一部が改正されたことで、7月1日から電動キックボードの新ルールが適用され、16歳以上であれば、無免許で道路を走れるようになった。もちろん細かいルールはある。

日本で電動キックボードの新ルールが適用された。写真はイメージ(ノルウェーのオスロー市内にて)

 電動キックボードのために「特定小型原動機付自転車」という新たな分類が決められ、これまでになかった新しい車両のジャンルとして、路上での運行が正式に認められることになった。車両の性格を大まかに言えば、通常モードでは従来の原付一種と近く、特例モードでは自転車に近い扱いを受ける。ただしいずれのモードでも厳密にはどちらとも同じではない。だから新ジャンルなのだ。

 詳細は警察庁のお知らせからご確認いただきたい。末尾には法改正のポイントを解説した動画へのリンクもあるので、クルマやバイクに乗る人も一度チェックした方が良い。新たなルールで同じ道路を走る新種の車両がどういうものかを理解するのは、安全のために重要なことだと思う。

特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)に関する交通ルールについて(出典:警視庁)

車道は時速20キロまで、歩道は時速6キロまで

 大きなポイントは速度に関する2つの規定で、第一に最高速度が20キロ以上出ない構造であること。ただし特例モードでは、文字通り特例として比較的自転車に近い扱いを受けられる。そのためには、緑色の最高速度表示灯を点灯(車道走行時)または点滅(歩道走行時)させている間は最高速度が6キロ以上出ない構造であることが求められる。

 ざっくり言えば車道を走る時は時速20キロまで、歩道を走る時は時速6キロまでということになる。もちろん歩道は道公法の定める自転車のルール同様、どこでも走れるわけではない。

 走行にはナンバー登録が必要であり、登録できるのは原則的には法的な車両規定の適合を示す「性能等確認済シール」が貼付されたものとなる。交付されたナンバーを取り付け、自賠責保険に加入して初めて運行できる。

「性能等確認済シール」

 ちなみに電動キックボードのルールはまだ制定されたばかり。販売されているモデルには「性能等確認済シール」が付いた新法規対応車両ばかりではない。というより7月6日に通販サイトを見た限りではむしろ非対応モデルのほうが多い。それらはもちろん公道走行不可である。

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