今回、筆者が取材に訪れたのは「モビリティリゾートもてぎ」。古くからのレースファンには、ツインリンクもてぎの名で知られた栃木県のサーキットだ。
今年2、3月に昨年のMAZDA SPIRIT RACING GTCUP 2022のランキング上位者が筑波サーキットに集まり、2日間のトレーニングを経てさらに9人に絞り込まれた。彼らにマツダが開催している耐久レース、マツダ・ファン・エンデュランスに参戦して、リアルなレース体験をしてもらうというのが「バーチャルからリアルへの道」と名付けられたチャレンジプログラムの概要だ。
その耐久レース挑戦の初戦(第1戦は4月にスポーツランドSUGOで開催)となったのが、このもてぎでの150分耐久レースなのだ。ちなみにマツダ・ファン・エンデュランスは12年から開催されており、マツダ車ならば広く参加できるだけでなく、競技ライセンスも不要という敷居の低さが魅力だ。
さて、今回ステアリングを握った4人のうち、1人は経験者であったが、残る3人は選抜メンバーであり、もてぎを走るのは初めて。なおかつ、予選でもドライバー交代の練習のために走っただけで、いきなり決勝レースで本格的な走行を強いられたのだ。
にもかかわらず、レース終了後に各ドライバーに尋ねたところ、3人とも1周目から不安なくサーキットを攻め込めた、と話していた。これには少々驚いたが、これこそがドライビングシミュレーターの効果であり、新時代のレーシングドライバー育成術なのだと実感した。
この日、モビリティリゾートもてぎでは、マツダ・ロードスターのワンメイクレースであるロードスターパーティレースも開催されていた。このパーティレースの成績優秀者は、スーパー耐久選手権でのドライバーとして参戦できる機会が与えられるチャレンジプログラムも今年から始めている。
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