今回の「バーチャルからリアルへの道」の挑戦でチーム監督を務めるのは、昨年スーパー耐久選手権で倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGのNDロードスターのステアリングも握った加藤彰彬氏。監督いわく、グランツーリスモで運転を覚えた人には特有の問題点があることも少なくないが、それに対する対策もすでにでき上がっているそうだ。
実は加藤監督は、レーシングシミュレータソフトとしては最もレベルが高いと言われるiRacingの世界大会において、3度チャンピオンに輝いたすご腕の持ち主。つまりレースシムを知り尽くし、その活用においてはちょっと右に出る者はいないから、今回のチーム監督としては最適の人選だろう。
チーム監督を務める加藤彰彬氏。現時点ではiRacingが最もリアルなレーシングシムソフトと断言する。「毎月アップデートされて、マシンもコースも熟成されていきます。他のレースシムより車種やコースの種類は少ないですが、素人が想像で作ったマシンでは限界域の特性まで再現できていないので、意味がないと思っています」。パーティレースでシリーズチャンピオンを連覇するなど、実車の腕前も一流だ現在使用しているステアリングコントローラーやペダルなども市販品ではなく、自作しているそうだ。既製品では満足できず、よりリアルに近い操作感を求めて、同じレーシングシムを楽しむ仲間と共同で開発したのだとか。ほかでは手に入らない自分だけの仕様という自己満足ではなく、レースでライバルに勝つために繊細な操作を再現し、クルマの挙動を感じ取るためには、そこまでやる必要があるのだ。
筆者も昨年からレーシングシムをガレージ兼書斎に導入しているが、パソコンとモニター、コックピットの合計で40万円前後の予算は必要だ。さらに繊細なフィールまで再現しようとデバイスにこだわれば、費用はハネ上がる。
タイヤやオイル、ブレーキパッドなどは消耗しないとはいえ、レーシングシムでもメンテナンスは必要であるし、スペースや騒音の問題などもあり、室内で誰でも楽しめるというほど気軽なオモチャではない。それでも、今後レーシングシムの需要はさまざまな方向性に広がる可能性は高い。
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