開発の際にこだわった点は、狭い脱衣所でも設置しやすいサイズと、床のホコリを舞い上げない構造だ。脱衣所は狭く、収納場所も少ない。そこに設置しやすく、また片付けやすいサイズとしてなるべく小さくあった。目標にしたのは体重計くらいのサイズだ。
試作品を作りながら改良を重ねた結果、幅297× 高さ115×奥行301ミリメートルまで小型化できた。サーキュレーターや目標だった体重計と比較しても小さく、収納しやすいサイズだ。
風の取り込み口を本体の側面や裏側に設置すると、風を取り込むと同時に床のホコリを一緒に舞い上げてしまう。そこで、風の取り込み口は本体の上に設置。床のホコリを舞い上げないよう工夫した。
また、小型化しつつ、効率よく全身に風を送るため流体力学を応用し、風量や風を送る範囲などを調整。全身を短時間で効率よくクールダウンできるよう、4カ所の風の吹き出し口をデザインした。
一時は円安によるコストアップで開発自体が頓挫しかけたこともあったという。だが、そうした危機を乗り越え、発案から約2年かけて完成した。風呂上がりに涼むためだけでなく、ドライヤーで髪を乾かすときなど活用の幅が広がっているそうだ。初回生産分が完売したことを受けて、追加生産を急いでいる。夏に誰しもが経験する小さな不満にとことん向き合った扇風機が、消費者の心を掴んでいるようだ。
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