実はあまり言われないが、日本でもこれまである分野で価格変動が導入されていた。もうお分かりだろう、「労働者」だ。
海外、特に欧州の先進国では最低賃金が「全国一律」で定められている国が多い。しかし、日本では都道府県で最低賃金はバラバラだ。コンビニのおにぎりの価格は東京と沖縄も同じだが、そこで働いているバイトの時給には大きな格差がある。
「そんなの当たり前だろ」と思うかもしれないが、これは冷静に考えるとおかしなことではないか。本来、東京の労働者も、沖縄の労働者も能力や仕事量にそれほど大きな差はない。しかも、光熱費や税金なども社会的コストもそれほど変わらない。
生み出す価値も、かかるコストも変わらないのに、住んでいる場所の需要の多さ少なさだけで、価格に差をつけられている。となると「ヒトにダイナミックプライシングを導入した」と言ってもいい。
そして、われわれがここで注目しなくてはいけないのは、なぜ日本では「モノの価格」よりも先に「ヒトの価格」に価格変動性が導入されてしまったのかということだ。
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