なぜ「プリウス」が標的にされるのか 不名誉な呼び名が浸透している背景高根英幸 「クルマのミライ」(6/7 ページ)

» 2023年07月30日 08時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

普通免許も、クルマも二極化していくか

 先日、トヨタが発売したマイクロモビリティに試乗した。1台は3輪ながら従来のセニアカー(ハンドル形電動車いす)のように着座してハンドルバーを操作するタイプで、もう1台は立ち乗りスタイルのキックボードを3輪にしたようなものだ。

 着座して走行するのはセニアカーとほぼ同じだが、操作系が両手どちらでも使えるようになっており、前輪が1輪なので切れ角が大きく小回りが利く。これは歩行者と一緒に移動する際には扱いやすい仕様だと感じた。

トヨタが発売したC+walk T。連続走行距離は16kmなので、歩行の代わりとしてのモビリティであり、これだけで移動の大半を賄うことは想定していない。障害物検知などの安全装備もあって、価格は36.3万円〜とまだまだ誰もが手軽に手に入れるものではなさそうだ。このGRのカラーリングは群馬トヨタグループがイベント用にあつらえたもので、オプションとして用意されているものではない

 一方、立ち乗りタイプは自立しているので安定感が高く思えたが、実際に試乗してみると小回りする際に車体が傾かないので、むしろ不安定な印象もあった。急転舵した際には自動的に減速するが、歩道走行可の電動キックボードよりも低速での移動に適したモビリティと言えそうだ。

 これは免許を返納して代わりに乗るものではないだろう。免許を維持しながら、より安全に配慮した乗り物を用意する必要がある。それが超小型モビリティというカテゴリーであるはずだが、まだ普及の兆しは見えない。

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