2022年のアニメ業界は『ONE PIECE FILM RED』『すずめの戸締まり』『スラムダンク』など、劇場版を中心に多くのヒット作に恵まれた。こうした好調を追い風に、アニメ制作の市場規模は3年ぶりに回復しつつある。
帝国データバンクの調査によると、22年のアニメ制作の市場規模は2703億9200万円で、前年(2540億4800万円)を6.4%上回った。2年連続で減少していた21年から一転し、3年ぶりに市場が回復した。
アニメ制作市場は11年以降、制作本数や配信料などライセンス収入の増加に支えられ、19年まで9年連続で拡大していた。しかし、20〜21年はコロナ禍による制作・公開スケジュールの遅延により、前年比で減少が続いた。22年も引き続き制作本数は減少したものの、23年以降に公開される劇場版映画やアニメ作品などの制作案件が増加したことで持ち直した。
また、テレビアニメの他に動画配信(VOD)プラットフォーマー向けのオリジナルアニメ制作や、ネット配信・視聴市場の拡大によるIP(知的財産)収入が増加。同社は「現状で推移した場合、23年のアニメ制作市場は過去初めてとなる3000億円を突破する可能性がある」とコメントしている。
22年における制作企業1社当たりの平均売上高は8億6400万円だった。業績面では「増収」が44%、「減収」が21%と、増収が減収を大きく上回った。損益面では「増益」となった企業が47%を占めた一方、「赤字」は31%と収益力の二極化が進んだ。
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