三井住友海上のアルムナイネットワーク構築を支援しているのはハッカズーク(東京都新宿区)だ。同社は企業とアルムナイをつなぐクラウド型システムを提供したり、ネットワーク構築に関するさまざまなアドバイスをしたりしている。ハッカズークは、三菱UFJ銀行、トヨタ自動車、三菱商事といった大手企業も支援している。
ハッカズークの鈴木仁志社長によると、アルムナイネットワークがさまざまな企業で広がっている背景には「深刻な人材不足」「高まる人材の流動性」などがあるという。
多くの日本企業は終身雇用をうたっていたが、離職率はそれなりに高い状況が続いていた。退職した人とは「縁を切る」という考え方が根強く残っていたが、16年頃から人材確保の手段としてアルムナイが注目されるようになっていったと鈴木社長は感じている。また、企業の中と外を知る人材として、アルムナイが貴重な存在だという認識も徐々に広がっているという。
「人的資本の重要性が高まったことも背景にあるでしょう。人的資本とは、簡単にいうと人にどれだけ効率よく投資して、個人の可能性を最大化して、企業の業績につなげていくかということです。
例えば、企業は新卒で採用した社員に研修などの投資をしています。退職してしまった人と縁を切るよりも、つながりを維持し続けるほうが、お互いにとってプラスになるのではないでしょうか」(鈴木社長)
企業とアルムナイの幸せな関係を模索する動きは、今後どれだけ強くなっていくか。
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