新時代セールスの教科書

私の商談って「何点?」 “営業版ライザップ”が定義する「最高の商談」の条件(1/3 ページ)

» 2023年09月21日 07時30分 公開
[ほしのあずさITmedia]

 読者の皆さんは、営業という職種にどんなイメージを持っているだろうか。キツい、売れない、怒られる。そして、続かない――。こういったワードを想像する人も少なくないだろう。実際に、営業職の離職率の高さを課題視する企業も多い。

 「営業は売れればやめない」。そう話すのは、エン・ジャパン(東京都新宿区)が提供する、オンライン商談で「営業力」を可視化する分析ツール「エンSX セールスアナリティクス」の責任者を務める加納誉也さんだ。同社は、若手や未経験者に向けて、個人のコミュニケーションスキルなどに依存せずに商談を成功させられるよう、ノウハウを共有。個人の商談を分析、受注できない要因を可視化し、改善のサポートをしている。

 同ツールでは、エン・ジャパン内の営業担当者の経験や実績を基に「最高の商談」を定義し、商談中の話し方やトーク力などを分析するというが、最高の商談とは、一体どんなものなのだろうか。

営業 最高の商談って何?(提供:写真AC)

あなたは「60点」!? 売れる営業と売れない営業の違い

 エンSX セールスアナリティクスでは、同社内の営業組織で「売れている営業」と「売れていない営業」の商談を可視化・分析し、最高の商談に必要な要素を定義している。

 商談を成功させるには(1)商談の構造を理解すること、(2)商談相手と良好な関係を築くこと、(3)受注ネックを引き出すこと、(4)ネクストアクションを明確にすること――これらの4項目を高い技術で行う必要があるという。

 エンSX セールスアナリティクスでは、上記に基づいて商談を成功に導くためのサポートを3段階で行う。まず、現場をよく知るエン・ジャパン内の営業のプロが講師としてレクチャーを実施し、商談の流れや、必ず聞くべき質問事項、有効なフレーズなどを解説する。続いてAIツールで商談を解析・可視化。最後に、プロがスコアと録画データを見て、個別で商談の出来をフィードバックする。

営業 「エンSXセールスアナリティクス」スコア表示画面イメージ(提供:エン・ジャパン)

 例えば、(2)では商談相手に好感を持ってもらうことが重要になるため、商談中の目線や話すスピード、話し方、画面の明るさなどの要素を分析する。

 「他にも、質問の仕方や言葉選びなどを分析しています。(3)の受注ネックを引き出すという項目では『購入していただけますか?』など直接購入の意思を聞き出すことが重要です。YESであれば受注ですし、NOであれば何が懸念点なのかを聞くことができます。これを売れているセールスは必ずしていますが、売れていないセールスは『検討していただけますか?』『ご不明点はありませんか?』という聞き方をしてしまうケースが多いです。これでは、クライアントが検討する際に何がネックになるのか引き出すことはできません」

 利用者はフィードバックを参考に商談に臨み、再度AIと講師に分析してもらうことを繰り返すことで、エンSX セールスアナリティクスが定義する項目を全て満たした商談ができるよう、ブラッシュアップを重ねていく。「商談とはこういうものだ」という正解を一貫して示しているのが、エンSX セールスアナリティクスの強みだ。

営業 印象フィードバック 画面イメージ(提供:エン・ジャパン)
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