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生成AIの業務導入が失敗するワケ 新興ABEJAが提案する活用プロセスとは生成AIスタートアップの挑戦(1/3 ページ)

» 2023年09月27日 07時00分 公開
[濱川太一ITmedia]

連載:生成AIスタートアップの挑戦

ChatGPTをはじめとする生成AIに注目が集まる中、多くのスタートアップ企業が生成AIビジネスに参入している。新興企業は新たな技術を武器に、既存のビジネスをどう変革していくのか――。

これまでの掲載

今後の掲載予定

ABEJA(本記事)、オルツ、AI inside、リーガルアイ

※順不同、今後も追加予定

 生成AIビジネスに参入した新興企業を紹介する新連載「生成AIスタートアップの挑戦」第4回は、独自のAIを開発し、企業のDX支援などを手掛けるABEJA(アベジャ、東京都港区)を取り上げる。

 同社は6月13日、東証グロースに上場。独自開発のAIプラットフォーム「ABEJA Platform」を基に、これまで製造やインフラ、物流、小売など300社以上のビジネスサポートに取り組んできた。生成AIの一つである大規模言語モデルも新たに研究・開発を進め、同プラットフォームに搭載した。

 従来のDX手法に生成AIを組み合わせることで、どのような効果が発揮されるのか――。回答者は同社代表取締役CEOの岡田陽介氏。

社名 サービス概要 顧客が受ける恩恵 サービスの強み リスク対処 ビジネスチャンス
エクサウィザーズ 株主総会の想定問答作成を支援 IR業務を効率化 大企業のニーズを把握、エンジニアも多い 生成AIの処理は国内で実施 コスト削減の余地が大きい業務に拡大できる
Spiral.AI 個性を有した会話が可能なAIコミュニケーションツールを開発 対話していて楽しいコミュニケーション体験 AIに個性を付与する各種技術ノウハウ ISMSなどの国際・業界基準に沿った情報管理 ユーザーフレンドリーなUI/UXに仕立てていくかが非常に肝要
リーガルスケープ 法令検索などのプラットフォームを提供 気になる法的論点などを1分足らずで提供 自然言語処理技術・生成AIをいち早く法務調査に応用 生成AIに詳しい弁護士複数名から助言 法情報をデジタル化し価値を最大化すること
ABEJA 独自AIプラットフォームで企業にDX支援 ゼロPoC(実証実験)で運用が可能 検討から運用までのスピードの速さ AIに関する課題を討議する外部有識者委員会を設置 LLMが企業DXの起爆剤に
各社の回答(要約)

Q. 生成AIを活用したどんなサービスを展開しているのか

 ABEJAは「ABEJA Platform」を基盤に顧客企業の基幹業務のプロセスを変革し、ビジネスの継続的な収益成長の実現に伴走する「デジタルプラットフォーム事業」を展開しております。2018年より生成AIの一つである大規模言語モデル(LLM)における研究開発を進めており、23年3月に「ABEJA LLM Series」をABEJA Platformに搭載し、顧客企業に提供しています。

生成AIを独自開発するABEJAは企業のDX支援をどう変えるのか――。画像は社内勉強会の様子(同社提供、以下同)

 7月以降は、LLMの利用にあたっての戦略策定やビジネスプロセスの構築、人材育成など、提供サポートを周辺領域にも拡張しました。

 現在、生成AI技術の台頭により、デジタル版EMS(Electronics Manufacturing Service)であるABEJA Platformのニーズはより多様化しており、画像生成AIなども含め、その適用領域は順調に拡大しています。

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