生成AIビジネスに参入した新興企業を紹介する新連載「生成AIスタートアップの挑戦」第3回は、企業の法務支援を手掛ける東京大学発のスタートアップ、リーガルスケープ(東京都文京区)を紹介する。
同社は米オープンAIが開発した大規模言語モデル「GPT-4」をベースに、リーガルリサーチに特化した対話AIを開発。日本の司法試験の短答式試験の一部領域で、例年の合格正答率(約60%)を上回る78.6%の正答率を記録するなど、大きな注目を集めている。高度な技術は法務領域の業務をどのように変革していくのか――。回答者は同社代表取締役の八木田樹氏。
社名 | サービス概要 | 顧客が受ける恩恵 | サービスの強み | リスク対処 | ビジネスチャンス |
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エクサウィザーズ | 株主総会の想定問答作成を支援 | IR業務を効率化 | 大企業のニーズを把握、エンジニアも多い | 生成AIの処理は国内で実施 | コスト削減の余地が大きい業務に拡大できる |
Spiral.AI | 個性を有した会話が可能なAIコミュニケーションツールを開発 | 対話していて楽しいコミュニケーション体験 | AIに個性を付与する各種技術ノウハウ | ISMSなどの国際・業界基準に沿った情報管理 | ユーザーフレンドリーなUI/UXに仕立てていくかが非常に肝要 |
リーガルスケープ | 法令検索などのプラットフォームを提供 | 気になる法的論点などを1分足らずで提供 | 自然言語処理技術・生成AIをいち早く法務調査に応用 | 生成AIに詳しい弁護士複数名から助言 | 法情報をデジタル化し価値を最大化すること |
各社の回答(要約) |
当社では、法令や法律書籍などの法情報の検索や閲覧ができるリーガルリサーチプラットフォーム「Legalscape」を提供しています。Legalscapeは、1700冊を超える法律書籍や法令・ガイドラインといった多数の文献を収録し、さらに独自の技術で文献同士の参照へジャンプ・逆引きを可能とするなど高度な機能を搭載していることで、主にトップレベルの法律事務所・企業法務部の1万を超えるユーザーに利用していただいてきました。
今回当社は、独自の自然言語処理技術と、生成AIを用いて質問形式で多数の文献からナレッジを引き出す新検索機能「Watson & Holmes」の提供を、9月4日から業界内でいち早く開始しました。ユーザーの反響も大きく、プロの法務パーソンにとっての法務調査における時短効果はもちろん、多くのユーザーにとっての法務調査のハードルを下げるといった効果もあり、市場からの引き合いを強く感じています。
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