年間82万部を売り上げ、累計販売部数が1000万部を超えた「ほぼ日手帳」。発行元はロールプレイングゲーム「MOTHER」シリーズの生みの親として知られるコピーライターの糸井重里が代表取締役社長を務める株式会社ほぼ日だ。
手帳市場の歴史自体は古く、国内で約4割のシェアを占める高橋書店の手帳や、1949年以降70年以上の歴史を持つ日本能率協会マネジメントセンターが発行する能率手帳が有力だ。そんな中、ほぼ日は2001年10月に「ほぼ日手帳」を発売し、同市場に新規参入した。デジタルへの移行が進む23年現在でも、前年比30 .3%増という売り上げを叩き出している(2023年8月期 第3四半期 決算説明資料より)。国内・海外ともに成長していて、海外では特に北中米(67.5%増)とヨーロッパ(104.5%増)で拡大しているという。
年々スマホなどでのスケジュール管理が進む中、一見は時代に逆行しているようにもみえるのに、なぜなのか。
「ほぼ日手帳」が登場した01年当時でも、手帳のデジタル化の未来を予見する動きはあった。いったいなぜ、21世紀になってから紙の手帳に新規参入したのか。狙いはどこにあったのか。ほぼ日代表取締役社長の糸井重里さんと、取締役の小泉絢子さんに聞いた。
――02年版から始まった「ほぼ日手帳」は、20年以上がたった今でも前年比30%増、82万部と売り上げを拡大し続けています。予定をWebで管理する人も少なくない中、なぜ伸び続けていると分析していますか。
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