冷却パッド開発のきっかけの1つになったのが、小学生からの陳情だった。兵庫県たつの市在住の小学生が2022年7月ごろ、炎天下での登下校環境の改善を求め、市長宛ての手紙として匿名で投函。手紙の内容は、教科書入りのランドセルが約5キロもの重量があることに加え、ランドセル以外にもプール授業用の水着セットや熱中症対策として水筒を持って登下校しており、帰宅する頃には「フラフラになる」という辛さを記したものだった。
その小学生は家族の協力を得て、学校から自宅までの所要時間、距離も計測。客観的な数値も手紙に盛り込み、建設現場の労働者が使用する「ファン付きウェア」と、日傘代わりになる大きな帽子を市内の小学校に通う全児童に配布するよう要望した。データに基づく論理的な陳情は、市職員や市長も驚く大人顔負けの内容だった。
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