月額5万5000円のサブスク別荘が好調 なぜ“入会待ち”が続くのか解約しない人の傾向(2/5 ページ)

» 2023年11月20日 10時54分 公開
[小林香織ITmedia]

愛犬と宿泊、カーシェア、次々と新サービスが誕生

 現状の拠点は、いずれも都心から3時間以内にあり、1棟が独立した「SANU Cabin(サヌキャビン)」、連棟・メゾネットタイプの「SANU APARTMENT(サヌアパートメント)」、一軒家をリノベーションした「Renovation Series(リノベーションシリーズ)」の3つのタイプがある。

現在の拠点のメインである、1棟が独立した「SANU Cabin」(サヌ社提供)
連棟・メゾネットタイプの「SANU APARTMENT」は、開業したばかりの新建築タイプ(サヌ社提供)
一軒家をリノベーションした「Renovation Series」(サヌ社提供)

 さらなる拠点のオープンも控えており、それらも加味すると各拠点の最大収容人数は4〜8人となる。Wi-Fiにワークデスク、プロジェクター、アメニティーなどが完備され、キッチンには調理器具や基本的な調味料も。日常の延長のような体験ができる。

リモートワークができるスペースやキッチンなど、暮らす感覚で滞在できる(サヌ社提供)

 リリース後、サービスが拡充されている。サウナ完備や愛犬と宿泊できる拠点が登場し、カーシェアリングや子ども一時預かりサービス(現状は八ヶ岳拠点のみ)も利用できるように。

愛犬と泊まれるDog friendlyタイプは、犬も自宅のように過ごせる(サヌ社提供)

 「当社では、定期的に会員にインタビューをしていて、新サービスの多くは会員の要望から生まれています。特に愛犬と宿泊できる拠点やカーシェアリングは好調で、『Dog friendlyの数を増やしてほしい』といった声も聞かれています」

 リリースからしばらくは、メインターゲットである30〜40代の利用者が大部分を占めていたが、最近は50代も増えている。繰り返し通う前提であるためか、自然のなかで静かに過ごしたり、リモートワークをしたり、家族や友達とのんびりしたりと、観光メインの旅行とはやや滞在目的が異なるようだ。

 23年4月には法人向けの「SANU 2nd Home for Business」もスタート。1口で年間30泊まで利用可能とし、チームビルディングのための合宿や福利厚生で利用されている。スポーツアパレルメーカーのゴールドウインや再生可能エネルギーを手掛ける自然電力などが導入しており、会員枠は現状すべて埋まっている。新たな拠点がオープンすると、法人の会員枠も増えるそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.