開業から11月末までの来場者数は340万人、そのうち40%が試合がない日の来場者だ。同社は開業以前「年間来場者数300万人」「そのうち、試合がない日100万人」の目標を立てており、開業から9カ月時点で目標を大きく上回る数字をたたき出している。
来場者数が好調であることはもちろんだが、開業してからうれしい驚きが多かったと伊藤さん。
まず、来場者の滞在時間が長いこと。一般的な野球観戦だと、試合のある3時間程度しかスタジアムに滞在しない人が多い。同社はここを課題に感じていた。
「もっと他にも提供価値があるのではないか……。例えば仮に試合に負けたとしても、『ビジョンの演出がすごかった』『食事がおいしかった』など、持ち帰っていただける感情のバリエーションを増やせるのではないかと考えましたね」
実際、エスコンの来場者は滞在時間が非常に長いのが特徴だ。スタジアム内で早めの昼食を取り、午後に試合を観戦。そこから夜もエスコン内で飲んでから帰る――なんて人が多いのだとか。
「試合終了後、お客さまに早く帰ってもらう球場やイベント会場が多いですが、エスコンは既成概念を捨てて全く違うアプローチをしています。とある日に、球場で『俺、今日12時間ここにいるよ』と話しているお客さまを見かけまして。実際、想定以上にたくさんのお客さまに、朝から晩まで1日中楽しんでいただけています」
家族連れにとっても、さまざまな要素を一箇所に集結している点は好評だ。試合観戦後、その場で食事や別のアクティビティーを楽しめることで、予約や移動の手間が省けることが評価されている。
他にも、インバウンドや出張・仕事帰りのビジネスパーソンが多いことも驚きだったという。
現在の最寄り駅である北広島駅は、札幌駅と新千歳空港のちょうど中間に位置する。時間を調整するのにちょうどいいと、仕事帰りでスーツ姿のサラリーマンや、インバウンド客が多く訪れている。
「微妙な時間に空港に着いてしまったから、Fビレッジに寄って3〜4時間楽しみ、夜は食事ですすきのや札幌に向かう――など、隙間時間に訪れてくださる方も多いですね。途中下車するだけでラクにアクセスできることも評価されています。
インバウンドが増えている今年の冬は、『がっつりスキーはしないけれど雪遊びをしてみたい』というニーズもある予想しています」
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