北陸新幹線は2015年に開業したばかりの路線で、車両も頑丈につくられている。また、幸いなことに同新幹線の線路は石川県内でも震源地から遠かった。それゆえ、地震発生の翌日午後には運行を再開できた。
一方、北陸新幹線より前からある私鉄の「のと鉄道」とJR七尾線は今回の大地震で大きなダメージを受けている。震源にも近く、構造物は古くて地震に対して脆弱(ぜいじゃく)だ。のと鉄道には「鉄道災害調査隊」が鉄道・運輸機構から送り込まれることが決まっている。
年始に発生した地震や航空事故では、大量輸送の使命を果たそうとした新幹線などは「余力」がしっかりとしていたため、早急に対応ができた。特にUターンラッシュの状況にあっても、混乱を最小限に食い止めようとしたことは評価されるべきである。
近年、鉄道業界では列車の本数を削減し、窓口などの人員を減らす方針を取っている企業もある。何かあると駅は混乱し、多くの人が列をつくる。このあたりの「余力」を削減して、「ムラ」「ムダ」がないようにしたい事情も分かるが、鉄道業界はこれを機に再検討すべきではないだろうか。
何かあった際に混乱を起こさないようにする――。公共インフラ企業にとって、必要不可欠なことである。
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
ドラえもんがつくった地下鉄は公共交通か? ローカル線問題を考える
2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか
不人気部屋が人気部屋に! なぜ「トレインビュー」は広がったのか
東京メトロ「有楽町線」「南北線」の延伸で、どうなる?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング