では、どこまで事前の情報収集を行えばよいかというと、常識的な程度で十分です。具体的には「そんなことも知らずに商談をしてるの?」と言われない程度です。
例えばWebサイトなら、先方の会社概要と事業紹介ページを見ておけば十分です。それだけで会社の規模感や事業内容のイメージは付きます。そこに加えてお会いする方の役職や部署名を掛け合わせることで、「この事業部の方に合うんだな」とか、「事業紹介にない部署名だから新規事業かな」とか、「業歴が長いから年配の方が多いのかな」といったイメージを膨らませることが出来ます。
具体的な項目で言いますと、以下のような内容です。
くれぐれも記載がない場合に、公式Webサイト以外から情報収集する必要はありません。また、最近新聞に取り上げられていないかなど、細かい情報を調べる必要もありません。
「商談に望む際は、どのようなニーズがあるのか仮説を構築し、それに対する提案を想定しておくべし」といった論調をよく聞きます。しかし、Webサイトをざっと見て得られる情報から構築できる仮説以上のことは不要――というのが私の見解です。
なぜかというと、これから商談する相手が答えを知っているわけなので、本人に聞けばよいからです。もちろん、ヒアリングの仕方をうまくするなど、商談力を鍛える必要はあります。しかし、商談相手から出てくるニーズは間違いなく正解です。であれば、仮説の構築に時間をかけるより、ロープレなどを繰り返し、商談相手本人からニーズを聞き出すスキルを磨くことに時間をかけたほうが有効です。
Webサイトからの情報収集で十分とお伝えしましたが、偶然友達が商談相手の企業で働いているなど、ラッキーでマル秘情報を手にすることもあると思います。もちろん、このような情報を一切活用するなというつもりはありません。使える情報は全て活用すべきです。
では、そのような情報がどこで役に立ってくるかというと、2回目以降の商談からです。
初回商談でまずは先方からニーズを聞き出すとともに、その過程で信頼関係を構築します。そうなって以降は、より踏み込んだ話も可能になるわけです。
「実は、〇〇社に友人が勤めてまして、たまたま御社のことを聞いたのですが、先日のお話と状況がやや違うようです。これはどういうことですかね?」といった形で話題に出していきます。信頼関係ができていれば、相手も警戒心なく話してくれるでしょう。
このように、情報は使い所を見極めることによって価値が出る、ということを意識していきましょう。
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