――今回「関西人は歌える広告」を作成した狙いをお聞かせください
相江さん: 関西人には親しみ深い「うどんスープ」という商品を他エリアの皆さまにも知ってもらい、興味・関心を持ってもらう機会となればと思い、実施しました。また寒い年末に「うどんスープ」で身体も心も温まってもらいたいという思いから年末に掲出しました。
――六本木駅のホームから改札に至るエスカレーターの全面を利用した点がユニークですね。なぜこのような形式を採用したのでしょうか
相江さん: 「うどんスープ」の歌が脳内再生されやすい空間を作るためです。六本木の長いエスカレーターに、ワンフレーズごとに分けて掲出することで、歌詞が一定リズムで飛び込んでくる体験をデザインしました。
「うどんスープ」の歌が東西で浸透具合に差があったこと、そもそもの歌詞自体も東西で違っていることから「関西人は歌える広告」というコンセプトを着想しました。今回は「うどんスープ」の話題化が目標だったので、このコンセプトによって出身・居住地によるさまざまなリアクションが生まれ、話題が生まれるのでは、と考えました。
クリエイティブの表現面では「普通の文字なのに、なぜか脳内再生される」というギャップ作りを大事にしました。あえてデザインしすぎないフォントにしていたり、妙な余白を残したレイアウトにしていたり、逆に歌詞後半の「うー!」は歌の盛り上がりをそのまま表現し、見切れるほど大きなサイズにしていたりなどの工夫を散りばめています。
――六本木駅を選んだ理由を教えてください
相江さん: ワンフレーズごとに分けて掲出するためには長く連続して貼れる場所が必要でした。さまざまな場所を検討した末、六本木駅が最も条件に適していたのでメインの掲出場所としました。また、六本木は情報感度の高い人が集まる場所でもあるので、OOH(屋外や公共の場に掲載された広告)を見た人による積極的な発信を期待したことも理由です。
――広告を見た人からはどのような反響が集まっていますか? また、SNSを中心に大きな反響を集めた要因について、どう分析していますか
相江さん: 「関西人は歌える」と銘打つことで自分語りをしやすい状況を作れたことが要因だと考えています。実際に「私は歌える!」「私は歌えない!」「私の知ってる歌詞と違う!」など出身・居住地の違いによる多様なリアクションが生まれました。
また、今回はメディア選定もうまくいったと考えています。初期段階では、六本木駅のエスカレーター全面広告で話題の初速をつけることに成功しました。同時に掲出していたJR東京駅・JR品川駅は、帰省ラッシュのタイミングを少し意識して選定したメディアでしたが、冬休みが始まってからは東京や品川を撮影したSNS投稿が増えはじめ、掲出期間の後半に第2の盛り上がりを作ることができました。
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