なぜオンラインMTGになった瞬間に、それなりにキャリアのある営業スタッフも怒涛のプレゼン商談をしてしまうのか。答えは、最大限の成果とまではいかないまでも、一定程度の受注は可能だったからです。
繰り返しですが、コロナ禍の営業活動では義理人情の代わりに提案内容が台頭してきました。提案内容とは、商品のスペック、特長、価格など、情報を読み取れば分かるものです。それらが判断基準になるため、営業スタッフが商品説明に特化することは、ある程度理にかなっていたわけです。
しかし、一方的な説明だと、途中で内容が分からなくなってしまった場合、商談相手は置いてきぼりになってしまいます。また、内容は理解できて良いモノだと理解できても、自社でどう活用すればよいのか分からない、という人が出る可能性もあります。そのような際、怒涛のプレゼンタイプの商談だとリカバリーが難しいわけです。
オンラインが主体となった営業活動において、最大限の成果を出すためには、“商品説明とは相手の状況に即して行うものである”と強く認識することが重要です。
具体的には、オンラインMTGが接続されたらが接続されたら、まずは会社案内を行い、自分がどのような会社に所属しているのかを説明し、相手を安心させます。よく分からない所属先の人の提案は信頼性が劣ってしまうからです。
会社案内を行った流れで商品・サービス説明に入りたくなるところをぐっと抑え、「本日お時間を頂けたのは、〇〇(自社の商品・サービス分野)について情報収集をされていることかと思いますが、ご状況はいかがでしょうか?」とヒアリングに移行します。そこで相手の状況をいろいろ聞き出しましょう。
一通りヒアリングが終わったら、伺った内容に即して、ここで商品・サービスを紹介します。くれぐれも怒涛のプレゼンではなく、「先程、〜〜と仰っていたかと思うのですが、その点に関して、今からご説明する機能が役に立つと思います」など、相手の状況に合わせて説明をカスタマイズし、より利用イメージを持って頂けるようにします。これにより、一方通行のやりとりではなく、お互いに先々を見越した会話が展開されていくでしょう。
ここまでの商談ができれば、プレゼン内容を理解できなかった相手が「分かりました。質問もありません」などといった形でフェードアウトしていくこともなく、商談を終えることができるでしょう。具体的に話が先に進むものであれば、次回打ち合わせ日の調整やお互いの宿題の確認が行われます。万が一先に進まないものでも、なぜ進まないのかきちんと説明してもらえる形で終われるはずです。
ぜひ、一方通行の商品説明ではなく、相手の状況に合わせて説明をするという流れを意識して商談を進めてみてください。
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