ここでもう一点気になるのが、この商品の特徴である少し派手目なピンク色のパッケージだ。昨今の化粧品業界はパッケージに注力している企業も多い。同社も18年からリブランディングを実施しており、主力商品の「オルビスユー」は白を基調にしたシンプルでスタイリッシュなパッケージを採用している。
一方この商品は、発売時からピンク色のパッケージを変えていない。同社商品の並びを見ると少し浮いている印象も受けるが、パッケージを変えていない理由はあるのだろうか。
「お客さまは正式な商品名なんて覚えていないんですよね。カタログ見て『エッセンスインヘアミルクください』と話す方はほとんどいなくて、皆さん『あのピンクのヘアミルクください』とおっしゃるんです。
Xでバズった時、商品企画部からは『昔のデザインで恥ずかしい。今っぽくないから変えたい』とすごくオシャレなデザインを提案されましたが、即却下。オーガニックでこんなにバズっていて、『オルビスのピンクのヘアケア』という認知が上がっているのに、店に行ったら全然違う見た目のおしゃれなパッケージに代わっていたら、お客さまに『置いていない』と思われてしまいます」
「マーケティングで最も難しいのは想起。お客さまが『髪が乾燥している。痛んでいる』と思った時に、思い浮かぶ商品になることがすごく大変なんです。せっかく『オルビスのピンクのやつ』と思い浮かべてもらえるのですから、パッケージの変更はしませんでした」
「バズり」を逃さず「関係ない商品」も売る――オルビスの緻密な戦略がすごい
「バカじゃないの?」とも言われた――4℃は「ブランド名を隠す」戦略で何を得たのか
想定の12倍売れた!? パナソニック「手のひらサイズ」シェーバーが開拓した新市場
優秀な営業マンにあえて「売らせない」 オープンハウス流、強い組織の作り方
鬼に金棒? オープンハウス「最強飛び込み部隊」が持つ“とんでもない地図”の正体
物価高なのになぜ? 1万円超えの「諭吉コスメ」が売れ続けるワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング