ワークマンは大々的に宣伝していないが、2023年に中高生向けのカバン(価格は7800円)を試験的に販売している。もともとオンラインストア限定の扱いを予定していたが、フランチャイズのオーナーから「うちでも販売したい」という声が相次いだため、一部店頭販売を実施したという経緯がある。
開発担当者は「予想以上の反響があったため、次はランドセルに挑戦しようということになりました。職人向けのバッグをつくっていたため、品質については自信がありました」と説明する。
具体的にどういった需要を見込んでいるのか。担当者は「子どもが成長してサイズが合わなくなったから買い換えよう」「高学年になった子どもが、別のバッグで通学したいと言い出した」「通常のランドセルは重たいので、1年生になる子どもに背負わせるのはかわいそう」「せっかく高いランドセルを買っても、子どもが汚したり壊したりしたらどうしよう」といったシーンを挙げた。
5万円以上する商品も多いことから、一般的な家庭にとってランドセルは決して安い買い物ではない。しかし、途中でサイズアウトしたり、汚してしまったりと、途中で買い替える可能性もある。だったら、買い替えを前提とした安くて丈夫なランドセルがあってもいいのではないかというのが開発者の狙いだ。
ワークマンが今回発売した布製ランドセル。軽くて安いをコンセプトにした商品には、他社も参入している。
例えば、ニトリは23年2月下旬から自社通販サイトで「超軽量 布製ランドセル」(1万9990円)の先行販売を開始している(同年6月から店頭販売も開始)。ニトリの広報担当者によると、売れ行きは好調で同社のランドセル単品販売数量ベスト5以内にランクインしているという。とても人気なので、今後も売り上げは増え続けると予想している。今後、新しい超軽量ランドセルを発表する予定だ。
イトーヨーカ堂も、軽さが特徴の布製ランドセル「ラクラクリュック」(3万1900円)を3月16日から順次発売する。同社が布製ランドセルを取り扱うのは今年が初となる。
軽い布製ランドセルに注目が集まるのは、ランドセルに入れる荷物が重くなっていることや、通学用バッグに対する価値観が多様化(必ずしもランドセルじゃなくていい)していることなどが背景にあると考えられる。
大手各社の相次ぐ参入で、布製ランドセル競争が激しくなりそうだ。
【お詫びと訂正:2024年3月5日午後4時51分の初出で、ニトリのランドセルの価格が間違っていました。3月6日午後5時50分に該当箇所を修正しました。お詫びして訂正いたします。】
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