ハイブリッドが当面の“現実解”である理由 勝者はトヨタだけではない高根英幸 「クルマのミライ」(4/5 ページ)

» 2024年03月12日 07時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

乗用車もシリーズハイブリッドが最有力

 トラックだけでなく乗用車にしても状況は変わらない。

 弱点は高速走行時には効率が落ちることで、そのためホンダや三菱のシリーズハイブリッドは高速巡行時にはエンジンの駆動力で走行するためのクラッチを備えている。ホンダの2モーターハイブリッドは、最新型ではさらにエンジン側に2段変速機構を備えて、エンジン回転を抑える工夫がされている。

 欧州では高速性能を重視する傾向が根強く、移動時間短縮のために高速性能に優れたクルマを購入する向きも多い。しかし高速性能が高い、ということはそれだけ燃費は低下するので、今後の環境規制を考えると速度規制が厳しくなっていく可能性もある。

 燃料価格が上昇している今、日本の高速道路では平均速度が下がっており、制限速度が時速110キロ、120キロの区間でも制限速度までスピードを上げないドライバーが多い。いずれ欧州もこうなってくるだろう。

日産のシリーズハイブリッド、e-POWERシステム

 コロナ禍以降、移動をなるべく避けてきたことを経験して、今や効率のいい移動、無駄の少ない移動をするのが常識となりつつある。バイオ燃料は航空業界も取り入れ、今や奪い合いの状況だ。

自動車メーカーも合成燃料やバイオ燃料の開発に力を注ぐが、石油並みの価格になるには相当な時間が必要だ。補助金で支えるのは持続可能性も薄い。写真はマツダがスーパー耐久選手権で走らせるクリーンディーゼル車に使われるバイオ燃料

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