朝活需要の高まりなどを受け、大手外食チェーンが「朝食」に注力している。安さを追求したり、独自メニューを開発したりと各社は知恵を絞っているが、最新の動向はどうなっているのだろうか。
丼もの・うどんメニューを中心に展開する「なか卯」は2023年12月6日から、朝食メニューの提供時間を延長した。これまでは午前5〜10時だったが、午前5〜11時とした。なか卯を展開するゼンショーホールディングスの広報担当者によると、朝食でしか食べられないメニューをより多くの利用客に楽しんでもらう狙いがあるという。
大手牛丼チェーンが朝食メニューを提供する時間を公式Webサイトで調べてみると、すき家と松屋は午前5〜11時、吉野家は午前4〜11時となっている。吉野家はかつて午前5〜10時としていたが、13年9月に提供時間を拡大している。吉野家のプレスリリースによると、朝食を食べる時間が多様化しており、販売延長を望む利用客の声が寄せられたことが背景にあったという。いずれにしても、なか卯が午前11時まで提供するようになったことで、競争がさらに激しくなる可能性が高い。
価格面ではどういった状況になっているのか。
なか卯の朝食で最も価格が安いのは「こだわり卵朝食」「目玉焼き朝食」(ともに並盛で290円)だ。こだわり卵朝食は、ごはん、みそ汁、のり、卵、漬物で構成されている。また、目玉焼き定食には、なか卯の看板メニュー「親子丼」と同じ「こだわり卵」を使用。黄身が半熟でトロッとした焼き加減になるよう工夫している(参考記事)。
なか卯のこだわり卵朝食はもともと250円で提供していたが、23年4月に価格改定をして現在の290円とした。単なる値上げではなく、漬物を加えることで新たなる価値を付加しているのが特徴だった。
牛丼チェーンで特に安いメニューとしては、松屋の「Wで選べる玉子かけごはん」(290円)や、すき家の「たまかけ朝食」(290円)が挙げられる。卵かけごはんを安く提供するという点では、なか卯と共通している。
松屋フーズホールディングスが展開するとんかつ専門店「松のや」では朝食メニューとして「玉子かけごはん定食」を280円で提供している。低価格帯の朝食としては300円未満が主戦場といえる。
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