小林製薬の「紅麹」問題 「機能性表示食品」見直しの背景に何があるのかスピン経済の歩き方(4/7 ページ)

» 2024年04月10日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

今後、想像できる流れは……

 これを受けて、23年11月から厚生労働省で「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」が開催。そもそも「かかりつけ医機能」とは何か、具体的には何をするのかという議論を重ねて、24年夏までに結果をまとめるというのだ。

 そんな中、以前から「かかりつけ医に相談してください」と呼びかけているサプリメントで、とんでもない健康被害が起きた。国民の機能性表示食品の服用・使用履歴の把握やアドバイスも「かかりつけ医機能」の中に含めるべきだ、という議論が盛り上がるのは容易に想像できよう。

「かかりつけ医」の機能が議論の対象に(画像はイメージ、出典:AC)

 しかも、そのための「布陣」もバッチリだ。今、厚生労働省は紅麹問題の調査をしているが、そこを仕切る武見敬三大臣は、日本医師会の“お抱え議員”として知られている。

「父の太郎氏は『けんか太郎』との異名を取り、25年にわたり日医の会長として、医療行政ににらみを利かせてきた。本人は医師ではないものの医療界のサラブレッドという血筋から、日医の政治団体『日本医師連盟』の推薦候補として当選を重ねてきた」(『東京新聞』 23年9月1日)

 そこに加えて、「機能性表示食品制度」を所管する消費者庁を仕切っている自見英子(じみはなこ)内閣府特命担当大臣も内科医で、日本医師会の推薦を受けている「組織内候補」だ。医師会の主張を通すのが、この人の主たるミッションなのだ。

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