ここまで言えば、筆者が「GW廃止」にこだわっている理由が分かってもらえたのではないか。
オーバーツーリズムや観光公害、そして観光業で働く人々の非正規・低賃金というさまざまな問題の根源をたどっていくと、「みんなと同じタイミングで休みをとって、みんなと同じように旅行しなくてはいけない」という日本人の強迫観念のような思想がある。
これをぶっ壊すためには、この思想を日本人に植え付けた制度からぶっ壊すしかない。そう、それが1948〜76年にわたって日本人観光客の消費行動に影響を与えてきたGWというワケだ。
つまり、GWを廃止して、全ての国民は自分の働いている環境に合わせて、好きな時に自分の判断で「大型連休」を取るという新しい常識を広めていくしかないのだ。しかも、もっと言ってしまえば、これは観光業で働く人だけではなく、全ての日本人にも悪い話ではない。
よく言われることだが、日本は「休日」が非常に多い。「日本人は働きすぎ」と思っている人も多いが、実は「仕事をしない日」は他の先進国とそれほど変わらない。しかし、休日が多いからといって、休めているわけではない。
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