そして、アフターコロナである。お客がどんなことを考えているのか、どんなメニューを期待しているのか。「コロナ禍前の顧客データは当てにならない」と感じていた店の担当者は、SNSなどを使って“生の声”に耳を傾けていたが、なんとなく「こんな感じかな」といったふんわりとした感覚にとどまっていた。
新しいデータを集める方法はないか。お客から直接話を聞くことができれば、アンケートよりも解像度が高いのではないか。そんなことを考えて、しゃぶしゃ部をつくることにしたのだ。
企業のコミュニティーサイトと聞くと「誰でも参加できるよね。さっきから何度も『しゃぶしゃ部』を目にするけれど、ちょっと大げさでしょ」と感じられたかもしれないが、入部するには高いハードルがある。「しゃぶしゃ部への志望理由、しゃぶ葉の好きなところ、コミュニティーへの期待、やってみたいこと」を書かなければいけないのだ。ゼロ回答であれば、不合格である。
なぜ入部にあたって、このようなハードルを設けたのか。しゃぶ葉を担当する岡田智子さんに聞いたところ「お店に対して、熱量を感じられる人に集まってもらいたいと思っていました。同じ熱量がある人たちが集まれば楽しいことができるのではないかと考え、あえて課題を設けました」とのこと。
結果、74人が合格。10〜60代の幅広い層が集まったわけだが、部員の熱量はどのくらいあるのか。メンバーの来店頻度を確認したところ、1人当たり年20回という結果に。コミュニティーがオープンして2カ月目に、サイトにログインした割合を見ると、80%に達した。この数字が高いのか低いのかよく分からなかったので、Asobicaの担当者に聞いたところ「平均の1.4倍ですね」とのこと。
また、サイトにログインして、コミュニティー内で行動した人は50%。平均に比べて、こちらは1.9倍なので、入部に一定の条件を設けたことによって熱い人たちが集まったことは確かなようだ。
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