CX Experts

生成AIでクリエイター業務が激変 博報堂DYグループが使う5つのサービスとは?前編(4/5 ページ)

» 2024年06月13日 08時00分 公開

(2)広告文の自動生成と効果予測を可能にする「H-AI SEARCH」

石井: 2つ目のAIプロダクトは、広告文の自動生成と配信効果の予測を支援する「H-AI SEARCH」です。キーワードを入力すると、あらかじめ設定していた文字数やレギュレーションに沿って広告文が自動生成されるだけでなく、広告効果が点数化されて表示されるようになっています。

 事前に広告効果を予測できるようになることで、広告運用効果の最大化につながります。

石井: 今回は、モビリティ業界での事例をご紹介します。「H-AI SEARCH」を導入することで、CTA・CPC・CPAの各指標で、従来の運用よりも大きく成果が出る結果になりました。広告予算も大きく、これまでも検索広告に注力されてきた企業であっても、これだけの成果につながったという事例となっています。

 その他、情報通信業界やレンタカー業界、不動産業界など、幅広い業種で活用が進んでいます。もちろん全ての数字が向上するとは限らないのですが、CPAとCVの両方で効果が出る場合やCPAを維持した状態でCVが増加する場合など、効果改善に貢献しています。

(3)勝ちクリエイティブを導き出す「H-AI IMAGES」

尾崎: 3つ目にご紹介するのが、画像の広告効果を予測するAIプロダクト「H-AI IMAGES」です。こちらは、広告の配信前にバナーをアップロードするだけで、ランキングとスコアが予測できるプロダクトになっています。

 例えば、新たな広告を配信する前に、既存バナーと新規バナーをアップロードし、その効果を判定。スコアが低い場合は、随時判定しながらデザイナーがデザインをブラッシュアップすることで、出稿前に配信効果を最大限に高めることが可能になるのです。

尾崎: そんな「H-AI IMAGES」の特長は、CTRとインプレッションの二つの指標でスコアを判定していること。安易にCTRだけを指標にして、「良いクリエイティブ=高CTR」とAIが一概に判断するのは危険だと考えているからです(※)。

※良いクリエイティブは媒体AIによってプレースメントが拡張され、インプレッションが増加・CTRは低下するが、悪いクリエイティブは媒体AIによりプレースメントが縮小され、インプレッションが減少・CTRは上昇する傾向にあるため。

 また、実際の運用では、“良いクリエイティブはプレースメントが広がる”という基本的なアルゴリズムはあるものの、どの媒体で運用するのかといったプレースメントやターゲティングなどの影響も受けるため、広告効果を判断するのは容易ではありません。だからこそ「H-AI IMAGES」では、媒体によって変動する要素をあえて排除しています。「クリエイティブ単体が持つ力」を純粋に測ることが、クリエイティブの品質アップ、ひいては、パフォーマンスの向上につながるのではと考えています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR