厚労省が飲酒ガイドラインを発表した、飲酒量を減らしたい人がそこそこいる。この結果を受けて、飲みづらいグラスを開発したように感じたわけだが、気になることも。ガイドラインを公表したのは2月、調査を行ったのは7月。にもかかわらず、飲みづらいグラスを発表したのは7月16日である。
何が言いたいかというと、段取りが良すぎるのではないかという話である。「どうでもいいんじゃないの? そんなこと。細かいなあ」と思われたかもしれないが、ヤッホー社に問い合わせたところ、やはり“ちょっと前から”動いていたようだ。
適正な飲酒を啓もうするには、どうすればいいのか。その取り組みのひとつとして、同社は今年の1月から「飲みづらいグラス」の開発を進めていた。とはいえ、繰り返しになるが、ビール会社としては“逆行”するような企画である。社内から反対の声はなかったのかというと、担当者は「なかった」ときっぱり。
う〜ん、本当にそうなのか。反対の声がなかった理由を聞いたところ、「ふむふむ、なるほど」と思わずニヤニヤしてしまう答えが返ってきた。だいたい想像がつくかと思うが、ビール会社で働く人の多くは「ビールが大好き」である。たくさんのビールを毎日のように飲んでいたいといった人が多いようだが、社内で盛り上がる数値がある。「尿酸値」だ。
健康診断の結果、尿酸値が高ければ痛風などの危険性が高まるので、ビールの量を控えなければいけない(医療の詳細は割愛)。しかし、ビール党としては、それは悲しすぎる事態である。ゆっくり、楽しく、末永く、飲んでいたい――。太く短くではなく、細く長くという人が多く、飲みづらいグラスを開発することに反対の声はなかったそうだ。
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