なぜ、ビール会社が「飲みづらいグラス」を開発したのか あえて“逆行”には意味がある週末に「へえ」な話(4/4 ページ)

» 2024年07月21日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

適正飲酒を気にしている人がじわじわ

 「ビールを飲み過ぎてしまう」「飲むスピードが速いのでなんとかしたい」――。飲みづらいグラスの申込者数を見ると、こうした悩みを抱えている人が多いように感じるが、実はその兆候は他の数字からもうかがえる。

 ヤッホー社は「正気のサタン」というビールを発売していて、この商品の特徴はアルコールが0.7%であること。お酒が強い人は酒量が減るかもしれない。お酒が弱い人にとって、適正なアルコール度数なのかもしれない。正気のサタンはこうしたニーズをうまくとらえていて、直近の出荷量を見ると、計画の130%で推移しているという。

「微アル」表記を追記した正気のサタン

 「ビール党というのは、キンキンに冷えたモノをグビグビ飲むものだ。男は黙って、〇〇〇〇ビール(←他社名なので自主規制)」といった人からすれば、ちょっと信じられないかもしれないが、「自分に合った量を飲みたい」「ゆっくり飲みたい」といった層はじわじわ増えているようだ。

 あえて飲みづらくしたグラスが人気となれば、記事もあえて読みにくくすれば、読者が“ゆっくりと味わってくれる”かもしれない。原稿を書きながら、そんなことをつぶやいていたら、編集部のKさんから厳しい言葉が返ってきた。

 「絶対に、読まれません!」――。

 おしまい(涙)。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR