翻訳システム「DeepL翻訳」を提供するDeepLは、専門的な業務やビジネスで必要な特定用語の翻訳ニーズに対応するため「用語集」機能をアップデートした。翻訳結果の一貫性と精度を高める機能を追加し、顧客体験価値(CX)を向上させる狙い。
用語集は、専門用語、製品名、企業特有の表現に合わせて、単語の訳を指定できる機能だ。「原文」の言語と「訳文」の言語で用語ペアを作成することによって、社内外で常に一貫性のあるコミュニケーションを可能にする。
新たに用語集に搭載した「用語集ジェネレーター」では、以前に翻訳したファイルを使用して、用語集を自動的に生成できるようにした。手作業を軽減し、作業効率を大幅に向上できるという。
対応言語は、中国語(簡体字)、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語で、今回は韓国語やデンマーク語など5言語を追加した。
「Google Chrome」「Microsoft Edge」の拡張機能からも用語集に直接アクセスできるようにしている。用語集ジェネレーターは「DeepL Pro Advanced」または「DeepL Pro Ultimate」のユーザーのみに提供する形だ。
言語専門家を対象にしたブラインドテストでは、DeepLがGoogle翻訳と比較して30%、ChatGPT-4と比較して20%の校正作業時間を短縮できたという。DeepLの用語集では、大文字や小文字、時制などの複雑な文法要素を処理。高度な文脈理解によって自然な翻訳結果を提供し、機械翻訳エンジンから出力された翻訳文を人間が編集、手直しする「ポストエディット」の時間を節約する。
DeepLのクリストファー・オズボーン副社長は「AIを活用した翻訳は、グローバルビジネスの緊密化が進む中で、言葉の壁を乗り越えるために不可欠なソリューションだ」と説明する。
「DeepLの用語集は、企業独自のフレーズやニーズに合わせた翻訳のパーソナライズを実現し、企業の挑戦を後押しする。ユーザー体験の向上を通じて、世界中の10万社以上の顧客に、価値と投資効率を一層高めることを常に目指している」(オズボーン副社長)
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